第1章 竹取物語シリーズ
春走
中国雲南省へのスケッチ旅行から生まれた作品。 中国特有の赤土の広い大地を若者が馬に跨り駆け抜けて行く。近景には白い花をつけた梅のような木々が、遠景には玉龍雪山が霞んで見える 。 大陸的な雄大な空気と、疾走感が共存した画面は春の清々しさを伝える。
水墨画様式で描かれた初期の掛け軸作品から、風光明媚な名所を活写した作品、そして可愛い 子猫たちを描いた作品まで、バラエティに富んだ作品が並ぶが、大谷はその初期において既に、非凡で洗練された絵画表現をしてきたことがわかる。中でも職場の 恩師への 感謝の念を表現した《鎮魂》には、その作風や精神性など、大谷作品の原点を垣間見ることができて興味深い。
中国雲南省へのスケッチ旅行から生まれた作品。 中国特有の赤土の広い大地を若者が馬に跨り駆け抜けて行く。近景には白い花をつけた梅のような木々が、遠景には玉龍雪山が霞んで見える 。 大陸的な雄大な空気と、疾走感が共存した画面は春の清々しさを伝える。
紅葉に染まる雄大な深山に滝音が染み渡る。画家の目が切り取った自然の名場面に心静かに浸りたい。
三陸海岸の風光明媚な景色が丁寧に描かれ、 潮風、波音、潮の香など朝の海の清々しさが臨場感豊かに迫ってくる。
臨場感豊かに描かれた岐阜県長良川の鵜飼の様子。 実際の取材は叶わず、写真に画家自身の想像を加え制作された。
画家の地元で行われる 「 岸和田だんじり祭り」を絶妙な構図で捉えた。躍動感の中にも女性画家ならではの優美さが香り立つ。
屹立する山々の頂より、遠く 小豆島の海を望む景色が心地よい。山水画様式の初期作品ながら、熟練の味わいがある。
中越地震で被災した新潟県は旧山古志村の朝靄かかる冬の朝。棚田の脇に見える人影が、村人の勤勉さを物語る。
題名が示すとおり、 画家自身の夢の庵を描いた作品。 静かな環境の中で自然と同化したいという願望が投影された。
父のように慕った職場の恩人が眠る法然院。 その冥福を祈る画家の感謝の思いが、画面の隅々から滲み出ている。
茅葺屋根、稲わらといった里山の風物詩に郷愁の念がこみ上げる。重厚感さえ漂う本作は画家の処女作である。
中央に大きく描かれた一輪の牡丹を燃えるようなオーラで包み込むことで、動きのある非凡な表現が生まれた。
画家が「 野暮ったい姿に親近感が湧いた」という日本在来種の馬の家族。 身を寄せ合う様子を温かい視点で活写した。
中国への取材旅行が生んだ作品。太古より時空を越えて聳え立つ山々と、 吹き渡る気流は、馬上の人に何を語るのだろう。
戯れる子猫たちの愛くるしい姿に、唯々癒される作品。 純粋無垢な存在が、人の心を癒すのだと改めて本作は物語る。
つがいの鳥を祝福するかのように梅の枝に集う鳥たち。 見る者はその可愛らしい 姿に、人間模様を投影するだろう。
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