大谷笙紅
中学校卒業以来、高校、大学も含めて30数年間、絵筆を持つことのなかった私でしたが、母の介護をしていた頃に禅画の手ほどきを受け、その後、墨相画心統一筆法の創元(創始者)である故・武井泰道先生と出会い、墨相画を描き始めました。
最初は趣味として描いていた墨相画でしたが、自分の心の奥底にある“思い”が絵に反映されるようになると、これを“生きた証”としてこの世に残したいと思うようになり、それ以来、墨相画の探求を一心に続けてまいりました。
しかし、理想の墨相画を描くために絵画技術の向上に努めつつ、所属する「天風会」(※)で精神面の鍛錬を続けるうちに、自分が描いていたものが墨相画の枠に収まらない、普遍的な “魂のふるさと” を表現した「天相画」と言うべきものになっていたことに気付きました。そこで、画家活動を総括する作品集の発刊と、大規模個展の開催を終えたことを機に、墨相画探求の末に見出した「天相画」の道を追求していくことを決意しました。
これからは、天相画作品の制作と発表を通じて、「宇宙と調和した心の世界」を伝えていくことが、私の使命であると考えています。
大谷笙紅
※「天風会」・・・思想家・中村天風の教えを実践する公益財団法人
略歴
1942年(昭和17) 大分県佐伯市に生まれる 本名:洋子
1960年(昭和35) 愛知県立半田高校卒業
※同窓生に日本経団連第7代会長の平岩外四、同13代会長 榊原定征ら
1964年(昭和39) 愛知教育大学卒業
大阪府岸和田市立葛城中学校教諭になる
1968年(昭和43) 教諭退職
花王株式会社入社(大阪生活科学研究所)
※大阪勤務時に、日本経済新聞 100周年記念懸賞論文 2席入賞、
日本油脂工業会.油脂論文 3席入賞などを受賞
1978年(昭和53) 花王初の女性BM(ブランドマネージャー)として 本社企画部へ異動のため東京に転勤
1988年(昭和63) 退社 母の介護のため帰阪
泉光寺住職に禅画の手ほどきを受ける
1998年(平成 10) 墨相会入会 武井泰道に師事
以降、日本墨相展に毎年出品。
平成15年、16年、19年には大賞受賞、
その他、特別心技賞、金賞、銀賞、銅賞など多数受賞
2000年(平成12) 母タマエ永眠
2005年(平成17) 墨相画心統一筆法の師範科正師範となる
岸和田市浪切ホールにて第1回個展開催
2008年(平成20) 公益財団法人「天風会」 会員となる
2009年(平成21) 岸和田市浪切ホールにて第2回個展開催
2014年(平成 26) 東京有楽町朝日ギャラリーにて第3 回個展開催
2018年(平成30) 大谷笙紅作品集を音美衣杜社より出版
2019年(平成31) 岸和田市浪切ホールにて第4回個展開催