写真(上)は《竹取物語 そのⅤ「安心」》の前で感謝状を受け取る大谷笙紅(中央)。左は山村吉由広陵町町長。右は広陵町イメージキャラクター「かぐやちゃん」。
2023年12月5日、大谷笙紅が日本最古の物語ともいわれる「竹取物語」をテーマに描いた連作屏風5点を、「竹取物語」の舞台とされる奈良県広陵町へと寄贈し、 同町総合保健福祉会館「さわやかホール」にて贈呈式が執り行われた。
5点から成る大谷の「竹取物語」シリーズは、画家が自らの画家としての歩みと、“魂のふるさと”を求めて向上しようと務める人間の歩みを「竹取物語」に見立てて描いたもの。
贈呈式において大谷は「12年がかりで描いた大切な作品。町の発展のため、使っていただきたい」と挨拶。 これを受け山村吉由町長は「竹取物語ゆかりの町だが、なかなか理解いただけない。今回はかぐや姫のご縁。しっかり活用していきたい」 と話し、感謝状を贈った。 町では今後イベントなどで作品を展示するという。
「竹取物語」シリーズの最終作《安心》は、人々がこの世での務めを終えて“魂のふるさと”へと還る様を、禅画の円相図のような簡潔な構図で表現した作品。広陵町へと贈呈されたことによって、画家の魂宿る「竹取物語」シリーズが、“魂のふるさと”への帰郷を果たしたともいえるだろう。